大麻物語 シーズン1 第6話 「WELCOME TO NEW WORLD」

大麻物語

 

季節はもうすっかり冬。

来年には会社を辞めて、自分で稼いでいかねばなりません。

隼氏のおかげで、一月分の猶予を得ることができた僕は、

それに甘んじることなく、以前にも増してストイックに次の大麻生産に打ち込みました。

 

前回のスカスカノーザンライトではもう喜んでくれないでしょう。

そんなことは大麻素人の僕にもわかります。

今度はもっといいものを隼氏に提供したい!

そう思って気合を入れました。

自作DWC

マザーの成長速度に確信を得て、今回は開花もDWCで行こうと、

弟に手伝ってもらって、直方体のプラスチックの衣装ケースを加工して、開花用のDWC容器を作成しました。

根に光が当たらないように、ケースを真っ黒に塗り。

蓋にホールソーで大きな2つの穴を開け、6号の植木鉢2個がうまくセットできるようにしました。

そこにハイドロボールを入れて、下の溶液が溜まるところにはブクブクを沈めました。


スカンク、ビッグバッズ、ホワイトウィドウ各3セット、

二株づつ搭載できるので合計十八株のリベンジです!

問題はエアーポンプです。

9個ものエアストーンをブクブクさせるにはかなりのパワーがいります。

普通の熱帯魚用のものでは到底追いつきません。

いろいろ調べてみると、浄化槽用のエアポンプは強力らしく、

ヤフオクで手頃なものを落札しました。

しかも、お手製の塩ビ菅分岐バルブまでつけてくれました。

ヤフオクって素晴らしい。

すぐに9個のDWCに大型のブクブクをセット。

スイッチオンすると、ブィーンと唸って全てのブクブクから盛大に泡が出てきました。

こいつは効きそうです!

 

初めての大麻専用ライト

今度は照明も刷新しました。

どのサイトを見ても照明について、

生長期はMH、開花期はHPSと書いてあります。

今度はLEDの夢を諦めて、素直に偉大な先人に従いましょう!

 

工場で余っている水銀灯の器具を取り外し、

球をメタルハライド400w1本と、

360wHPSを2本、購入してセットしました。

さらに、アメリカの大手グロウショップから1000wHPSを輸入しました。

安定器の重さにも驚きましたが、照明器具のデカさに呆れました。

鉄の箱型のもので、内側ぐるりと反射板、

下側にはでっかいガラスがはめ込まれています。

左右には巨大な穴が、ダクトをつけて熱を外に放出できる設計のようです。

大麻栽培用具のなんと本格的なことでしょう!

部屋の大改造

でも、そのダクトの穴は僕のシステムには不要なものでした。

部屋丸ごと閉鎖して大麻栽培ルームとしているのです。

強力な天井エアコンで、まとめて温調していたのです。

電気をつけてみました。

1000wのパワーは凄まじく、直視できない明るさとものすごい熱に、ただただあきれ返りました。

こいつならいい仕事をしてくれそうだ。

部屋ごと開花ルームにしていますが、

マザークローンブースと、僕の作業場所兼パソコンルームと分けなければなりません。

天井からパンダシートを吊り下げて、

カーテンのように垂らして、簡易パーテーションとしました。

アメリカからワンロール直輸入したもので、

厚みがあって、作りはしっかりとしていました。

 

パーテーションとしては簡易的なものですが、白い面は光を効率よく反射し、

黒い面が光を遮断し、開花部屋の電気を消すと全くの暗闇になりました。

出入り口が必要です。大麻栽培用品ならアメリカでなんでも揃います。

パンダシート用シッパーなるものが販売されていています。

テープを貼り付けて、ジッパーをあけ、

その合わせ目をカッターで切ると、簡易的な出入り口の出来上がりです。

第一次栽培ルームが完成しました。

天井からライトをぶら下げ、

光が効率よく当たると思われる場所にDWCサイトと植木鉢を設置しました。

 

土耕の初挑戦

植木鉢!そうなんです!

今回は失敗が許されません。

前回うまくいかなかったのは水耕だから?

という可能性も捨てきれず、土耕にもチャレンジしようと、

あらかじめホームセンターや園芸店を回って、

良さそうなバラ用の高級用土と、

ミミズの糞が配合されたふかふかの土をゲットしてあります。

しかも、2ちゃんねるで好評だったバットグアノというコウモリの糞も買ってあります。

それらを配合して、こだわりの土を作りました。

土耕でも、三株づつ合計9個の10号鉢でやります。

 

第二軍育成

開花前期レシピの液肥で満たしたDWCサイトに、

エアストーンをブクブクさせて、

クローンを植えて、ライトのタイマーを12:12にセットしました。

 

僕のハイドロクローン軍団18株、土耕軍団9株

計27機

いよいよ出撃です!

 

これらの作業を一人でやるのは大変です。

ですが、僕には幸い全て話せる弟がいるのです。

開花部屋の設備など、彼に手伝ってもらって全てを計画通りに進めることができました。

 

今度こそまともなバッズができますように!

祈るような気持ちで毎日観察していましたよ。

開花サイクルスタート

照明の明るさのせいでしょうか?

明らかに成長速度がアップしています。

そして、明らかにDWCのハイドロ軍団の成長が芳しいです。

 

同じようにクローン発根後ひと月弱で開花させたのですが、

開花後の生長速度に差を感じます。

とりわけビッグバッズとスカンクの生長はとても早い。

対してホワイトウィドウはずんぐりむっくり、なかなか大きくなりません。

 

その時は品種によって全然違うなぁと思っていたのですが、

今となって振り返れば、おそらくタネの個性でしょうね。

 

ともかくビッグバッズとスカンクの生長が半端ではない。

忍者でも飛び越えられないくらいに生長しています。

そして、スカンクのトップ部にはバッズらしき塊が!

僕が初めてじかに見る、夢にまで見た、

あの丸っこい白い樹脂の粉を吹いたような、

あの塊が形成されつつあるではありませんか!

こっこれは!

いけるんじゃないか?

今度こそまともな嗜好大麻が作れるのではないか!

毎日期待に胸を膨らませまくりながら、バッズを観察する日々が続きました。

開花中期

液肥の濃さをアップしていきます。

ところが、この衣装ケース方式の液肥交換にはやられました。

液肥入れ替えが、めちゃくちゃ大変です。

灯油ポンプを買ってきて、プランツに気をつけながら、蓋をずらし、隙間にポンプを差し込みます。そして廃液をバケツに受けます。

バケツが溜まったら捨てに行きます。

部屋が二階だったので窓から捨てました。

あ、でも心配しないでください。

ほとんど山の中といっていい場所に工場はありましたので、

二階からバケツで廃液を捨てても咎める者はいませんでした。

いや、弟がいました。

廃液をせっせと窓からドバドバ捨てている僕を見て、

「兄貴!荒っぽいんちゃうか!」

といって注意されました。

ですが僕は「大丈夫や心配すんな」といって、

彼のアドバイスを一向に聞き入れませんでした。

 

余談ですが、肥料の残りを捨てていたためか、工場周りはコンクリートにも関わらず、根性大根のような強力な雑草だらけとなり、コンクリートをバキバキに割ってくださいました。

自然の因果応報とはかくも凄まじきものです。

各々方ご自戒なさりませ。

開花して四週間もすると、プランツの背丈もかなりの高さに成長して、花も大きく膨らんできました。

オランダのリンボー師匠の動画と自分のバッズを見比べて確認したものです。

 

タネの種類によって成長の仕方、姿がまるで違います。

 

ホワイトウィドウはとてもずんぐりしています。

50センチ前後の背丈しかありません。

でも、樹脂のノリがすごくて、すでに真っ白になっていました。

 

スカンクは一番背丈が高く1m程までになりました。

茎は太く丈夫です。

葉はしっかりとして大きく、グローブのような大きさの葉もあります。

 

ビッグバッズの葉も大きいものはあるのですが、細く繊細な感じがします。

背丈はスカンクほどではありません。70センチくらいでしょうか。

何より特徴的なのは茎が細いことです。

でも、根はものすごく張っているので、問題はなさそうです。

そう、DWCは根の健康状態を直接目視できるところがとても便利です。

しかも水分の吸収量も目で見てはっきりわかります。

開花中期ともなると、1日で衣装ケース半分近くの水を吸い上げます。

毎日の水分補給が大変でした。

開花後期

開花後期ともなると、

ハイドロ軍団の方は、実がどんどん膨らんできて、

プランツ自身でバッズを支えることができなくなってきました。

壁や天井から釣り糸でバッズが倒れないよう吊り下げていました。

その作業がとても大変で、しかも通り道も確保しないといけなく、今後の課題となりました。

 

土耕軍団の方の背丈はハイドロに比べると7割方小さめ、

バッズもコンパクトですが実がしっかり詰まっています。

茎も心なしかしっかりしていて、ちゃんと自立しています。

ですのでケアはとても楽でした。

世話といっても、水をやるだけです。

もちろんバットグアノの追肥は忘れずにね。

 

軍団が成長してくると、通り道が埋まってきて、

水やりなどに奥に行く時など、いちいち植木鉢を動かしていかないと通れません。

開花は計画的にしないと後で苦労しますね。

 

7週になると、ビッグバッズとスカンクのハイドロ軍団のバッズはゲンコツのようになってきました。

スカンクのバッズは黄色っぽく、ビッグバッズの方はなんと紫!

形も歪で、見方によってはグロいほどのモリモリ感です。

完全に紐でぶら下がってブドウみたいになっていました。

ホワイトウィドウのバッズも太くてモリモリ、

色は濃い緑で粉砂糖を振りかけたスイーツのようになっていました。

背丈が低いので量はとれそうにないけどキマリは推して知るべし!

 

今回は我ながらやばいものがとれたぞ!

1000wHPSのパワー、DWCと肥料!

このセットのおかげですね。

そして収穫へ

いよいよ8週。収穫です。

弟と一緒にチョキチョキしながら、収穫物の出来栄えに満足していました。

トリミングも大変で、ハサミが4本ダメになるくらいベタベタでした。

ご機嫌な兄弟がチョキチョキ、ビッグバッズはほとんど実で、

余分な葉っぱが少ないのでトリミングが超楽でした。

対してホワイトウィドウはびっしり葉っぱがバッズの間から生えていて、

仕上げるのに一苦労。

僕がビッグバッズばかりトリミングするものだから、

弟はプンプンしていました。

 

樹脂でベタベタの葉っぱを捨ててしまうのも惜しくて、

それはそれで集めて乾燥しました。

 

数日後…

いよいよ軽量TIME!

なんと

1.2kg!

バケツ3杯分くらいありました。

 

ハイドロ軍団は土耕の倍近くとれていました。

土耕がいくら良くても、これから土耕をやる必要はないなぁ、

そう思った瞬間でした。

 

さぁいよいよ

テイスティングタイム!

紫色のいかついビッグバッズをやってみました。

東大寺の大仏の頭のようになったビッグバッズ。

(第一次開花ルームは奈良にありました)

こいつの先っちょの螺髪(ラホツ)の一つを引き千切り、

グラインダーで砕きます。

ノーザンとはまた違う控え目でアーシーな芳香です。

大麻堂のボングの火皿に投入。

ライターで火をつけます。

「シュ」

「ボクボクボクッ」

「スーッ、ハァ〜」

乾いた煙、

胸にグッっとくるこの感じ。

僕が初めて体験する大麻の洗礼です。

ふ〜〜〜って吐き出します。

何も起こりません。

「なんやこれ、胸にグッとくるだけか?」

そう思ってブクブクブクブクやりました。

5分くらい経過したでしょうか?

『WELCOME TO NEW WORLD』

あるときを界に、

一気に、

どーーーーん!

世界が変わりました。

時間の流れ、周囲の空気、全てが変わりました。

これが大麻の世界か!!!

 

初めての体験です。

なににも似ていない。

なににも形容しようがない。

やってみないとわからない世界。

こいつは凄い!

なんなんでしょう。

まさにカウチロックです。

自分がカウチロックしているか、

時間がカウチロックしているのか?

 

少し体が温かくなり、余分な力が抜けて、リラックスします。

思考がシンプルになります。

 

少しづつこの世界にも慣れてきました。

さぁ音楽を聴いてみましょう。

そのとき好きだった、ボサノバを自作のオーディオセットから流しました。

音楽って普段耳で聞いていると思ってましたが、

違いますよね。

胸で聞いていました。

ハートに音楽が直接突き刺さるのです。

心が揺さぶられます。

何気ない楽器のソロパートなどに奏者の深い意図を感じ取れます。

本当に素晴らしい。

しばらく音に酔いしれていましたが、

この感動、生々しいうちに書き残しておこうと、PCのメモ帳を開きました。

 

そこに書いていた文はもうありませんが、

だいたいこのようなことを書いていたと思います。

 

僕はえらいもんを作ってしもうたわ。

そら、これは売れるわ。

やった〜!

大金持ちや!

天下とったで!

大麻栽培は種が大切ですね。

つづく…

この記事を書いた人