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種、セカンドジェネレーション
前回は、毛深いノーザンライトにすっかり落胆してしまいましたが、
それくらいの失敗でめげる僕ではありません。
再び同じシードバンクからタネを輸入しました。
今度はちゃんと”フェミナイズド”を買いましたよ。
もう同じ轍は踏みません。
さらにネットで調べて、これまでに実績のある代表的な3品種を選び出しました。
買った品種は
- センシシードのスカンク#1
- ダッチパッションのビッグバッズ
- そしてホワイトウィドウ
全てフェミナイズドで10粒づつ買いました。
それらの中から、それぞれ1粒づつ発芽させて、慎重に育てました。
この時はまだ、たくさんの種を一気に育てて、
優秀なマザーを選別しようなんて洒落た考えが思い浮かばなかったのです。
30粒もあるのに、なぜかケチって今回は3粒。
それぞれ発芽させました。
DWC
さらに栽培方法にもこだわりました。
20Lのバケツの蓋に穴を開け、ネットポットを被せたDWC方式
(ディープウォーターカルチャー)で育てようと思い立ち、早速自作しました。
液肥で満たしたバケツの蓋にホールソーで穴を開け、
ハイドロボールを入れたネットポットをはめ込みます。
液肥の中にはエアストーンを沈めてブクブクさせて酸素を供給してあげます。
マザーの維持にこの様な方法をとって、とてもチャレンジャーだったと思いますよ。
素直に土耕すればもっと楽にできたと思います。
ですが、土に根を張るために分散されるエネルギーが、
もれなくバッズの成長にのみに使える!
そういう文言を見て、そしてその言葉が、妙に腑に落ちてしまって以来、
僕は水耕栽培原理主義者となってしまったのです。
お金のために栽培するのだから、僕にとっては収穫量が正義なのです。
たとえ1グラムでも多く取れるなら、努力と投資は惜しみません。
DWCは物凄く、その効果てき面でした。
あれよあれよという間に、全ての株が立派なマザーとなりました。
今回はフェミナイズドの種なのでオスかも?という心配もありません。
7段目くらいで芽つみして、若草のうちに安心してそれぞれをクローンしました。
クローンマシーン
クローンについても、こだわりました。
クローン技術そのものは、挿し木という技法で、園芸のテクニックとしてごくごく一般的なものですが、クローンというだけで、何かこう凄いことをしているような錯覚に陥るのが不思議です。さらにその対象が大麻ともあればなおのこと。
僕は職業大麻栽培者として初めからやっていくことを決意していましたから、
その方法についても詳しく調べていました。
YouTubeでエアロポニクスを応用したクローンマシーンがあると知ってからは、その虜になっていました。
茎に液肥をジェット噴射して発根を最速で促すすごいやつです。
僕はその中でもボタニケアというメーカーのマイナーなクローンマシーンを購入しました。
どうして、そんなマイナーな物をチョイスしたかというと、ボタニケアのクローンマシーンにはドームがついていたからです。
後になって思えば、クローンマシーンにはドームは必須ではないと思うのですが、その時は妙にこだわって、値段が高いのにも関わらず、ボタニケアの白いマシンをアメリカから空輸しました。
値段なりに作りも良いもので、5日でクローン成功して、しかも根張りがものすごく良いです。
クローンマシーンでクローンした苗は、根が太くてハリがあります。
後の成長速度に差が出ます。
発根後、移植してからの養生期間が必要なく、すぐに使える苗となります。
クローン即開花でハイサイクル栽培を計画されている方はクローンマシーンを導入されると後悔することはないでしょう。
無事にそれぞれ4苗づつ計12クローンを取り開花の準備をしました。
大麻の売り方
そうこうしてる間に、前回とれたノーザンライトの乾燥とキュアがだいたい終わりました。
お手製の大型ダンボールケースにぶら下がった貧相なバッズたち。
でも甘く蠱惑的な香りがプンプンします。
全て取り入れて計量してみると200gもありました。
とはいえ、あまり効果のないクソネタです。
でも、その時はそれがクソネタだとは思っていませんでした。
大麻ってのはそんなもんなんだと。
今から考えたら売り物にはならないです。
さあ、それでも売らねばなりません。
どうやって売るかです。
弟に「これどこで売ろう」と相談を持ちかけました。
「せやな、西成で”立ちんぼ”してる売人に売るしかないんちゃうん?」
ということで西成の売人を探して売りに行くことにしました。
当時は西成にシャブを売り歩く”立ちんぼ”がかなりいたようです。
仕事が終わった後、弟と売人探しの西成ドライブが始まりました。
西成、天王寺、新世界
日本で最もスラムな街、西成。
日雇い労働者の街。
ご存知の方も多いでしょうが、最高のワンダーランドです。
安くて美味しい食べ物飲み屋さん。
昼間からハードドラッグアルコールのODで逝かれている労働者の街です。
そしてその労働者と共生しているアウトローの街です。
余談ですが、僕は子供の頃、西成の隣町の天王寺にある学校に通っていました。
当然、西成周辺に住んでいる友達も多くて、その周辺によく遊びに行ったものです。
子供にとっても、天王寺、西成、新世界はとても面白くて刺激的な街でした。
特に天王寺は、阿倍野橋商店街、アベ地下、天王寺ステーションビル、アポロビル、近鉄百貨店本店、
今でも日本一高いビル、ハルカスに代表される買い物便利ないい街ですが、当時はある意味もっとすごかった。
街の色が濃かったのです。
僕たちの遊ぶルートはその時々、僕たち内の流行で変化します。
悪友と飛田新地を冷やかすのにはまっていた時期もあります。
おばちゃんに、
「ここはガキの来るとこちゃうで、帰り!」
と怒られながらもニヤニヤしながら歩き回っていました。
音楽にはまっているときは、アポロビルの楽器屋さんのギターやドラムで遊んだり、
ナイフやボウガンにはまってるときは、阿倍野橋商店街の武器屋でナイフを物色したり。
新世界で買い食いして、弓道場で弓をやるルートも僕たちの中では人気がありました。
矢が的に刺さると、やる気のなさそうなおばあちゃんが、
これまたやる気なさそうに太鼓をボンボン叩いてくれるのが妙にシュールで大好きでした。
その弓道場も今はもう無いようです。
天王寺公園でもよく遊びました。
とはいっても、遊具で遊んだりはしません笑
そのころ、天王寺には乞食がいっぱいいました。
天王寺公園は乞食の高級住宅街。
いたるところにブルーシートの家が建っていて、
人通りの多い歩道橋は彼らにっとて格好の稼ぎ場所でした。
天王寺公園では青空で酔っ払い達が本格的な機材を使って、
大ボリュームで毎日カラオケしています。
それらの大人たちを、通りすがりにおちょくって、ダッシュして逃げたものです。
ピンポンダッシュみたいなものです。
今から考えると悪いことをしたなとは思いますが…。
安全な場所でぬくぬくゲームするより刺激的ですよ。
捕まったら怖い目に遭いますからね。
話が横道に逸れましたが、
ヤクを売るなら西成へ
という考えは僕たち兄弟にとって、とても自然なのでした。
いざ西成
仕事が終わった夜20時。
弟の運転で西成を目指しました。
もちろん少量のサンプルを積んでいますので、緊張も高まります。
しかも、西成を車で運転するということは危険を伴います。
中国の動画でよく見る、当たり屋がたまにいるからです。
フラフラ歩いているゾンビのような歩行者に当てられないよう気をつけながら、
駅から西成警察、そして三角公園方面をゆっくり流し、偵察しました。
それらしき姿は見つかりますが、どうにも声をかける勇気が出ませんでした。
売人に声をかけるといっても、もし売人じゃなかったらどうしようかとか。
そんな愚にもつかないことを弟とぐちぐち言い合ってるだけで、結局行動に移せませんでした。
無駄に岸里方面までだらだら流し、結局その日はやめとこうか。
ということになりました。
こんな小さなことでさえ、やって失敗する後悔より、
やらずに後悔する方が、心に重くのしかかるものです。
帰り道は重苦しい空気の中でのドライブとなりました。
こんなことでネタが売れるのか?
次回 大麻物語 シーズン1 第4話 「隼」
つづく…
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