大麻物語 11話 「高山竹林園」

大麻物語

大麻喫煙

大量に大麻を在庫していたとはいえ、自分で消費することはほとんどありませんでした。

大麻の影響下で普段通りに振る舞う自信を持てなかったからです。

大麻のことしかやっていないとはいえ、これまでにやってきた仕事と完全に縁が切れたわけではなかったのです。

取引先などから電話がかかってきてくることもあります。

そんな時、まだ大麻に慣れていませんので、まともに接する自信がありません。そのような精神状態で大麻を吸ってもろくなことがないことがわかってましたので、週に一回吸うか吸わないかでした。

そうはいっても、徐々に大麻には慣れ親しんで行きました。

使用量はボング(水パイプ)で一回に数量はほんの0.5gほどです。

それで十分なのです。

昼に吸って夕方までいい気分です。

そしてその日の晩飯のうまいこと、そしてその日の夜はとてもよく眠れます。

とはいえ、普段からベッドに入ったら5分で熟睡してますけどね。

新たなる栽培設備 RDWC

会社では営業活動の傍ら、相変わらず栽培技術を調べまくる毎日です。

今はまだ大量には売れないけれど、自分が作ったバッズのクォリティなら十分勝負していけると確信した僕はさらなる大量生産を考えたのです。

これまでは、衣装ケースを使ったDWCや普通の土耕栽培でしたが、それらをすべて一新しました。

衣装ケースを使ったDWCは天板が一回の栽培で割れてしまって、もう使うことはできませんでしたし。

さあ次はどんなシステムにしようかと、ワクワクしながらアメリカのサイトを物色しているうちに、究極の水耕栽培はRDWCであるという結論に辿り着きました。

そのシステムをなんとか自分でやれないものか試行錯誤しました。

当時はまだRDWCのシステムはネット上ですら販売していませんでしたので、自作するしかありません。


とりあえず自分の開花部屋の寸法を方眼紙に描いてみました。

そこに想像力を働かせてどんなシステムを入れたら良いか、あーでもないこーでもないと思案するのです。

そうしている時が一番楽しいものです。

方眼紙には細かいマス目が入ってるので、フリーハンドで描いても、割と見やすい図面や絵や回路図がかけます。

実際に何か物作りをする際には大麻栽培に限らず僕は昔から方眼紙を愛用していたのです。

CADも使いますが、やっぱり手書きには手書きの良さがあります。

部屋の面積で最大限大麻を育てるためのシステムと配置を考えました。

かなりの広さがあるので、バケツ式のRDWCでやろうとすると配管に相当な手間がかかります。

バケツ何十個にそれぞれ穴を開けて、さらにそれらを配管して結合するのは気が遠くなる作業だからです。


そこでお馴染みのプラ舟が登場したわけです。

綿密なパズル遊びの結果、どうやら110のプラ舟なら12枚も並べることができます。

さぁプラ舟に何株の苗を置くかそこが問題です。

頭で考えても実行するとなると、目の前には数々の壁が現れてきます。

大麻栽培に正解はありません。

正解が出るほど日本語の資料はありません。

ですが21世紀にはインターネッツがあります!

リンボー師匠

僕はオランダの大麻栽培ユーチューバーであるリンボー師匠の動画を参考にしました。

実用的なだけでなく、彼の動画には味があります。

そこは少し汚れた雰囲気の地下室。

こっそり手作りで静かに大麻栽培システムを完成させていく様子がたまりません。

そして彼が作るバッズは桁違いのモリモリ感です。

それが干し柿のように乾燥されている様子を見ると唯々圧倒されます。

(こんなにできたら一体幾らになるのだろう)

そう思うと嫌でも頭と体が働きます。

今でもテンションが下がるとリンボー師匠の動画を見てると元気が出てきます。

憧れのオランダ

オランダでは大麻が合法だと勘違いされている方が多いと思いますが、実は非犯罪化されているだけで、実際には非合法なのです。

ダメだけど仕方ないよね、嗜好品なんて個人の自由なんだから。ってスタンスです。

大人ですよね。

そういう経緯もあって、栽培は当時のオランダでも重罪でした。

現在はどうなっているのかは知りませんが。


そこで発達したのが室内でこっそり水耕栽培する技術です。

もともとチューリップで有名なオランダは実は世界でも指折りの農作物輸出国なのです。

九州ほどの小さな国土のどこにそんなポテンシャルがあるのか。

オランダはとてもクリエイティブでエネルギッシュな農業先進国です。

色々調べていく過程でオランダのトマト栽培工場の動画を見て驚きました。

移動式のトロッコのような作業台に乗って背の高い美しいオランダ娘が、それは楽しそうにトマトを収穫しています。

いろんな人が楽しく働けるように、優れたトマトを最大限収穫できるよう工夫されています。

そこに働く人々は、IT関連企業で働いているような雰囲気の若い知的な男女。

高度に集積化合理化されたトマト工場で、それぞれ個性的な服装でそれは和気あいあいと農業に勤しむ姿を見て、未来の農業を見たような気がしたものです。


面積当たりのトマト生産量など日本はオランダの足元にも及ばないそうです。僕はそのような事実を知って驚きました。

農業技術は日本が世界一なのではないかと錯覚していたからです。

でも考えたらわかりますよね。日本の農業ってどこかおかしい。

村社会で新規参入は難しく、国に管理されてきた農業。

従事されている方々は高齢者ばかり。

農政がおかしいに違いありません。

そんな状態ではいくら国民が優秀でも世界一になれるわけはありません。

しかも食料自給率は40%以下らしいのです。

自分の食い扶持の半分も賄えないのに農業技術が世界一な訳ないですよね。

日本万歳

日本の中にいてはどうしても日本が最高だと勘違いさせられます。

国民を馬鹿にして、自分の境遇に満足させようとする為政者の強い意向が、世界一空気を読むことに長けた日本のマスコミをコントロールして洗脳番組を垂れ流しさせています。マスコミが歯向かおうものなら、国税が動くぞってそぶりを見せるだけでいいのです。『坊ちゃん』に出てきた野だいこように、政府万歳と共に韓国中国を攻撃するニュースをちゃんと流して中央省庁に上目づかいです。

また、核家族化が進んで寂しい人が多いものだから、家にいるときはクソのようなテレビ番組を垂れ流しです。

日本すごいぞ番組。

警察大活躍番組。

都合の良いチョイスのニュース番組。

ゲスなワイドショー。

アルコールを飲んで耳ざわりのよい日本マンセー情報ばかり見ているうちに、どうしようもない考えに凝り固まった現状維持サポーター、既得権者サポーターの出来上がりです。

当の本人は最低賃金で一生働かされるにも関わらず、変化を嫌い、結果、動ける限り働かされ政府や企業に課金し続けます。

酷い有様です。

そしてもちろん彼らは大麻を生理的に受け付けません。

権力者さんは少々いい加減な政治をしても抵抗されないとでも思っているのでしょうか?

賢い国民もいるでしょう?

そんなあなたは現実を直視しても悲しいので逃避しているのでしょうか?

水耕システム制作

僕は現実を知って自分の幸せを貪欲に追求しようと、リンボー師匠の動画をPCモニターに穴があくほどに観察しました。

リンボー師匠が使っている面積当たりのライトの本数、そして面積当たりに植えられている苗の数などを計算して自作の水耕システムを設計しました。

図面は完成しました。早速実行です。

まず開花部屋いっぱいに敷き詰める12枚のプラ舟を発注。

そして、プラ舟にかぶせ、苗を支える天板として、ホームセンターでベニアを大量購入しまた。

工場に持ち帰り、丸ノコでプラ舟の開口部にピッタリなサイズにカット、さらにネットポットを入れる穴をホールソーで加工しました。

穴を開ける位置は12枚プラ舟を並べたときに完全に均等になるように吟味に吟味を重ねました。

そして出来上がったのは、世にも珍しいプラ舟にベニア板の天板を被せただけのRDWCプラ舟SOGシステムです。

プラ舟を所定の位置に並べて、全てホースで連結します。

全ての配管を水位調節用リザーバーに連結。

水位調整用リザーバーにはボールタップと呼ばれるウキによって水位を一定に保つバルブがついています。大麻が成長して根から大量に液肥を吸い上げて、水位が下がったとしても大丈夫なのです。

そうすると水位が下がってウキが沈み、そこについているバルブが開きます。

すると上のタンクからが液肥が流れ落ちてきます。

そうすることによって、全体の水位は常に一定に保たれるわけです。

水位が下がるのはタンクの中だけです。

僕はそれまで工場の機械の冷却水の配管など、自分でもやっていました。

ですので、水耕栽培のシステムを考えたり作ったりすることなんてお手の物でした。

しかも工場には各種工具が全て揃っています。

作業スペースも十分です。

全てがテキパキと進行し、次々と思考が現実化していきます。

水位調整用リザーバーの上部に200リットルの農業用タンクを据え付けました。

これで200リットルの液肥でこのタンクを満たしておけば、12枚全てのプラ舟に常に一定の水位で、安定した濃度の液肥を供給できます。

プラ舟にはそれぞれブクブクでエアレーションを施しています。

根への酸素供給も完璧です。

プラ舟にすることで少しは作業量が減ったものの、何十枚ものベニアをカットして、ホールソーで穴を開けるのは大変な作業です。

弟はもちろん、会社の従業員にも手伝ってもらいました。彼らはまさか大麻の栽培道具を作らされているとは思っても見なかったでしょう。

もちろん業務の一環として手伝ってもらいましたが。

おかげで、完成したRDWCプラ舟SOGシステムは素晴らしい性能を発揮しました。

プラ舟一枚あたり12カップの超高密度のクローン即開花にも関わらず、開花後半には1メートルにまで育ち、バッズは自分の茎で支えられずに倒れる株が続出するほどの重量感のあるバッズが鈴なりです。

12パレットあるので、144株あるわけです。

それぞれ20グラムでも二ヶ月で2.88kg取れます。

これが全て売れたら…

そう想像するだけでワクワクしてきます。

ところが現実はそれほど甘くなく、それだけの大麻を買ってくれる客はいまだに見つかっていません。

早くなんとかしなければなりません。

高山竹林園

Sと初めて会った次の日、少し暇ができたので、大麻でも吸ってリラックスしようと、

茶筌で有名な奈良北部の高山にある竹林園を訪れました。

高山地区は京都と大阪と奈良の境目に位置しています。

そこにはとても美しい竹林と整備された公園や茶室があります。

せっかくの竹林園ですが、周りは山ばかり。とても辺鄙なところにあります。

それだから平日の昼間に訪れる人は稀です。

特にその日は冬の寒い日で、そんなところをわざわざ訪れる者は誰もいません。

ただ一人僕を除いては。

僕は昔から竹林園が好きでした。

さらにいうならば、生駒、高山、京田辺の山々が好きでした。

なだらかな優しい山々が、これまで幾度も仕事で疲れた僕の心を潤してくれていたのです。

仕事をサボって散歩したり、峠道をドライブしたものです。


風が竹林を揺らすサワサワとした音を聞きながらビッグバッズを一服つけました。

深く吸い込んで10分ほどすると、僕の精神は大麻の支配下となりました。

サワサワと風に揺れる竹林が僕に話しかけてくるようでした。

これまでの経た道とこれからの行く末が僕の目の前にリアルに現れます。

とても落ち着いて大麻を楽しむような心理状態ではありません。

大麻栽培をスタートさせてから半年、特に最近の生活の激変ぶりには自分自身でも驚いています。

これから突撃する世界は、これまで自分が築き上げてきた常識など通用する世界ではありません。

変化を愛し、新しい環境に素早くなじむことが僕の長所だと自負していましたし、そんな自分を歓迎もしています。

望み通り退屈とは縁のない世界ですが、心の休まる時間は無くなってしまいました。

僕はこのままこの道で行くのだろうか。

まぁ、金には困らない。

でも、金に困らないからこそ、大麻に頼って生活してしまうのだろう。

そんな人生を望んだいるのか?

それでいいのか?

いやそれでいいわけはない。

こんな生活、長続きはしない。

必ずどこかでカルマの清算をしなければならない。

その清算が怖いか?

とても怖い。

かといって、代案はあるのか?

ない。

一体どうなってしまうのかわからないけど、他にどうすることもできないのなら、この道を進むしかない。


アルコールだと嫌なことを忘れられるそうですが、大麻ではそうはいきません。

よりエモーショナルに自分自身に懸念の課題を突きつけてきます。

不安な気持ちで冬の竹林を散歩したあと、工場の大麻部屋に戻りました。

完全に温度と湿度がコントロールされた部屋は暖かく、真冬でもTシャツ一枚で快適です。

燦々と照りつけるメタルハライド灯の元、生き生きと鮮やかな緑の葉っぱを揺らす大麻たち。

そこはさながら南の楽園のようでした。

葉っぱを万歳させて、必死に伸びようとする彼らを見て、僕も両手を高く上げて伸びをしました。

そうすると全ての不安は一瞬で消え去り、腹の底から勇気が湧いてきたのでした。

まあええやろう!

やれるとこまで、やってみようぜ!

どうせやんねんから、とことんやったろうやないか!

気がつけばそう声に出して叫んでいました。

つづく

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